お小遣いで保たれる絶妙の母と娘のバランス

お小遣いで保たれる絶妙の母と娘のバランス

お小遣いで保たれる絶妙の母と娘のバランス

 

私のお小遣い稼ぎは、実家に帰って母の手伝いをすることです。高齢になった母は家事をするのが億劫になっており、それを放っておけない私はちょこちょこ帰るようにしています。母はもともととても几帳面でしたので、自分がやっていたのと同じように私にやらせようとします。それが大変ハードで、毎回参ってしまうのですが、やはり気になるので手伝いに帰ることになります。

 

庭の草むしり一つにしても、母が揃えた道具をフル活用しなければなりません。草の根1本も逃さないよう、フォークの大小を駆使しながらしっかり抜かなければならないのです。落ち葉は一枚残さず掃かなければなりませんし、掃いたあとは熊手できれいに模様を入れなければなりません。自分は何にもしないくせに口先で命令して人使いが荒いのにも程があると思って、しんから頭にくるのですが、仕方ありません。

 

芝生の端はハサミでまっすぐにカットすること、百日紅の花びらは手で拾うことなど庭掃除にいくつものルールがあるように、これが家の中はもっとあります。くったくたに疲れ果てた末に帰ってくるのですが、毎回ありがとうと言ってお小遣いをくれます。それには飛行機代も入っているのですが、それにしても時給に換算すると割のいい額なのです。

 

いつもこき使う結果になって悪いわねと言いながらくれるのですが、帰るたびに、毎日の掃除と買い物スケジュールがびっしりの紙を用意して待っている母です。根っからのきれい好きゆえに、娘には甘えて思いっきり掃除をしてもらいたいのだと思います。私もとっても疲れるけれど親孝行ができ、母も心苦しいながらも遠慮なく娘に頼みごとができ、お小遣いを渡すことでちょっぴり罪悪感から救われるという絶妙なバランスのようです。